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AI・IoT関連情報 - July 2026

CCPIT Patent & Trademark Law Office China


「AIによる音声の無断使用」をめぐる紛争
杭州市の裁判所が司法判断で音声使用のレッドラインを画定

 

録音された音声素材を用いてAI学習によって合成された「新しい音声」は、法的保護の対象になるのか。事業主が録音物の著作権を有する場合、退職した従業員の音声データを無断でAI音声合成に使用するのは可能なのだろうか。

先ごろ、浙江省杭州市浜江区裁判所は、退職した従業員の音声をAI生成に使用したことをめぐる人格権紛争案件について判決を下し、こうした疑問に対して司法判断で明確な境界を定めた。2022年、原告の周氏は、ある文化・エンターテイメント企業に「バーチャルアーティスト」として入社し、ライブ配信や動画制作などを担当していた。在職中、同社は内部テストの緊急性を理由に、周氏に対し「音声使用及びAIトレーニングプロジェクト」関連素材を収録するよう手配した。双方は正式な契約を結んでおらず、周氏は契約や使用許諾料について会社と協議したものの、会社は明確な回答を示さなかった。

周氏は退職後、会社が自身の音声素材を無断で使用し、AIトレーニングしてプロジェクトのキャラクター音声に使用していることを知り、当該行為は自身の声の権利を侵害し、人格権の侵害に当たると主張した。一方、被告は、周氏が収録した音声などの録音物について著作権等を有しており、合法的使用であると弁明した。

本件の争点は、AIによって処理された音声が声の権利の保護範囲に該当するか、また、録音物の著作権と人格権の境界をどのように明確化するかにある。

『中華人民共和国民法典』の規定によると、自然人の音声に関する保護については、肖像権の保護に関する規定が準用され、識別可能性を法的保護の前提条件とする。本件では、AIによって処理された音声が周氏の口調や発音スタイル等と一致しており、一般の人々が周氏本人であることを正確に識別するに十分である。従って、当該音声は周氏の音声に関する権益の保護範囲に属し、法的保護の対象となるべきである。

同時に、被告の文化・エンターテイメント企業が、周氏が収録した録音物について著作権等を有していたとしても、知的財産権の帰属に関する合意には人格権は含まれておらず、よって周氏の音声をAI処理して使用することを被告に許諾する権利も当然含まれていないことになる。当該企業が周氏本人の同意を得ずに、侵害被疑の動画やソフトウェアキャラクターにAI処理した音声を使用する行為は、周氏の声の権利の侵害となる。

最終的に、杭州市浜江区裁判所は、被告の企業に対し、侵害行為の差止め、損害賠償として2万元(約46万円)の支払い、および書面による謝罪声明の提出を命じた。一審判決後、当事者は上訴しなかった。

杭州市浜江区裁判所・白馬湖法廷(データ知的財産権法廷)の倪暁花裁判長は、「本件は、デジタル時代における人格権保護の課題を浮き彫りにするとともに、AI応用シーンにおける人格権保護の明確な境界を示すものである」と述べ、音声、顔、指紋などの生体情報は、いずれも極めてセンシティブな個人情報であり、自由に複製可能な「デジタル資源」ではなく、人格権は技術の進歩によって損なわれるものではないと語った。

https://www.chinanews.com.cn/sh/2026/06-30/10650249.shtml

 

 

報告:中国のエンボディドAI市場 年平均成長率22~23%に

 

『中国エンボディドAI産業発展報告(2026)』が7月2日、上海で発表された。同報告書によると、中国はすでに世界で最も急成長しているエンボディドAI市場の一つとなっており、複数の研究機関の試算では、中国のエンボディドAI市場規模は2018年の約2133億元(約5.1兆円)から2026年の1.09兆元(約26兆円)へと拡大し、年平均成長率は22%~23%に達する見通しである。

当日、2026上海国際エンボディドAI産業博覧会(CIEI 2026)の開幕式で、中国機電一体化技術応用協会と上海市国際展覧(集団)有限公司が共同で上記報告書を発表した。報告書は、エンボディドAIが、AIとロボット技術が深く融合した最先端分野であり、大規模言語モデルに続く次世代AIのパラダイムと見なされていると指摘する。中国のエンボディドAI産業を分野別に見ると、産業用ロボットが最大シェア(約45%)を占め、サービスロボットがこれに続き(約25%)、特殊用途ロボットが約15%を占めている。人型ロボットは現時点でシェアが最も小さい(約5%)ものの、成長率は最も高く、将来的に最大の成長エンジンになると広く見込まれている。

報告書によると、中国は、エンボディドAI分野において、バリューチェーン全体にわたる産業基盤を有している。コアセンサー、サーボモーター、高調波減速機から、完成品の組立、アルゴリズムの適用に至るまで、高度に集積した産業クラスターが形成されている。長江デルタ地域と珠江デルタ地域における部品産業の集積効果により、新製品プロトタイプの改良スピードは欧米諸国を大幅に上回っており、中国のエンボディドAI産業のコスト面での競争力は特に顕著で、総合的な製造コストは海外と比べて30~50%低い。

https://www.chinanews.com.cn/cj/2026/07-02/10651284.shtml

 

 

スマートファームを視察、AIはどのように農作業を行うのか

 

先頃、広州極飛科技のスーパーファームにおいて、遠隔監視画面を通して次のようなシーンを目にした。作業員が畦道でスクリーンを軽くタップして指示を送信すると、電動バルブが自動で開き、水と肥料がドリップ灌漑用のパイプを通じて作物の根元にゆっくりと供給された。作業員は手動でバルブを開けに行く必要がなく、施設内の展示ホールや休憩エリア、さらには農場の外からでもスマートフォンで灌水・施肥一体型スマート灌漑システム全体を遠隔操作することができたのだ。

紹介によると、「スーパーファーム」は、「スーパー水田」「スーパー果樹園」、およびスマート農業試験圃場などで構成されている。「スーパー水田」は水稲の完全「無人化」栽培モデルを目指し、水田の管理をより科学的にし、人件費の削減を図る。「スーパー果樹園」は主に山間部や丘陵地で製品と技術を活用し、険しい地形での機械化の課題解決を探る。スマート農業試験圃場は新しい技術や製品の検証に用いられる。

極飛科技の広報マネージャーである妥紅艶氏によると、春の農繁期には、スーパー水田にある農業用ドローン1機が半日ほどで180ムー(約12ヘクタール)の播種作業を完了できるという。農業用ドローンは散布・播種・測量・運搬の四つの機能を備え、障害物回避機能も搭載しており、離着陸地点の異物を認識して自動でホバリングし、異物が除去された後に自動で着陸する。ミリ波レーダーとAI技術の組み合わせにより、複雑な環境でも安定した効率的な作業を維持できる。

「AIは『農業のあり方』を新たに定義しつつある。灌水・施肥一体機は電動バルブと連動し、灌漑と施肥を同時に行うことで、従来のような全面的な浸水灌漑や手作業による追肥といった重労働から解放される」と、極飛科技スーパーファームの運営責任者の葉永輝氏は説明する。

農家は播種に先立ち、高精度の地図を使用して圃場の境界を定め、農地の境界線やドローンの飛行パラメータを設定し、AIが最適な飛行経路を自動生成し、作業工程を自律的に実行する。病害虫対策の作業時には、「AI処方図」により農薬散布を全面散布から精密散布へと変え、農家を反復的な作業から解放するだけでなく、生産効率を大幅に向上させる。「現在、すべての機器はスマートフォンの管理システムで操作できるようになっている」と葉氏が紹介した。

農業の「耕す・種をまく・育てる・収穫する」の4つの工程すべてにおいて、巡回ドローン、圃場のスマートバルブ、スマート灌水・施肥管理システムなどが人力に代わって作業を行っている。AIのアルゴリズムがデータ分析を行い、灌漑・施肥・農薬散布の科学的根拠を提供している。

広州のスマートファームは一カ所だけではない。従化区にある1000ムー(約67ヘクタール)の香米無人農場は、北斗衛星測位システムを活用し、耕作・播種・育成・収穫の全工程の無人化を実現している。艾米稲香小鎮(アイミー・ダオシャン小鎮)は5G、IoT、AI技術を組み合わせ、「農業+テクノロジー+観光」を融合したスマート農業のモデル事例を築いている。増城区の「伏羲農場」では、「鴻鵠」シリーズのスマート農業機械・機器の適応性研究開発を進め、丘陵地域の農業生産スマート化ソリューションを構築している。

現在、広東省は、テクノロジーによる強化、農業用装備による支援、そしてサービスによる下支えを統合した全チェーンシステムを構築し、AI技術とスマート農業機械製造といったハードパワーと農業機械の社会化されたサービスのソフトパワーと深く融合させている。スマート農業のエンパワーメントにより、農業における新たな質の生産力を継続的に育成し、伝統的な農業を技術力、ブランド価値、発展可能性をそなえた成長産業へと変えている。

https://www.xinhuanet.com/20260702/1b0df2fdeb084412bebc1acce1eca8a9/c.html

 

CCPIT Patent & Trademark Law Office



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