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知財ニュース - July 2025

CCPIT Patent & Trademark Law Office China


改正「反不正当競争法(不正競争防止法)」の読解

法制度の健全化により公平な市場競争環境を整備

 

中国第十四期全人大常務委員会第十六回会議で不正競争防止法改正草案が可決された。新たに改正される不正競争防止法は条数が従来の33条から41条に増え、総則、不正競争行為、被疑不正競争行為についての調査、法的責任及び附則で構成され、2025年10月15日から施行される。

混同惹起による不正競争行為に関する規定の整備が、改正後の不正競争防止法の主な内容である。具体的に4つのポイントに分けられる。第一に、他人の一定の影響力を有する「新しいメディアのアカウント名、アプリケーション名またはアイコン」を無断で使用することを混同惹起行為であると明確に規定している。第二に、商標法との整合性を図り、他人の登録商標または未登録の著名商標を無断で企業名称の商号として使用し、他人の商品と混同誤認させたり特定関係があると誤解させたりする行為は混同惹起行為であると明確化に規定している。第三に、検索キーワードの使用を規範化し、他人の商品名、企業名(略称・商号等を含む)、登録商標、未登録の著名商標などを検索キーワードに設定し、他人の商品と混同誤認させたり特定関係があると誤解させたりする行為は混同惹起行為であると明確に規定している。第四に、経営者は他人の混同惹起行為を幇助してはならないと規定している。

改正後の不正競争防止法は商業賄賂、虚偽宣伝、景品付き不正販売、商業上の誹謗中傷などの不正競争行為に関する規定を細分化している。商業賄賂については、関係組織個人は賄賂を受け取ってはならないという規定を追加している。虚偽宣伝については、誤認させられる対象を消費者から「消費者及びその他の経営者」に拡大し、虚偽の取引や評価への規制を強化し、「虚偽の評価」によって他人の虚偽宣伝を幇助する行為の実施を禁止している。景品付き不正販売については、景品付き販売活動の開始後、経営者は随意に景品付き販売情報を変更してはならないと規定している。商業上の誹謗中傷については、経営者は「他人を教唆して」商業上の誹謗中傷を行ってはならず、対象を「競争相手」から「その他の経営者」に拡大している。

インターネット上の不正競争行為に関する規定の整備は、改正後の不正競争防止法の注目点の一つである。改正後の不正競争防止法は、経営者がデータアルゴリズム、技術、プラットフォーム規則などを利用して不正競争行為を実施してはならないと明確にしている。また、データ権益侵害に関する規定を追加し、詐欺脅迫技術管理措置の回避破壊などの不正手段で他人が合法的に保有するデータを取得使用し、その他の経営者の正当な権益を侵害したり市場競争秩序を乱したりする行為を禁止している。さらに、経営者はプラットフォーム規則を悪用し、直接または他人を教唆して他の経営者に対して虚偽の取引や評価、悪意の返品などを実施してはならないと規定している。

改正後の不正競争防止法はさらに、プラットフォーム経営者に対し、プラットフォーム上の事業者の不正競争行為に対処する義務を追加している。プラットフォーム経営者はサービス契約と取引規則においてプラットフォーム上での公平競争ルールを明確化し、不正競争の通報・苦情処理及び紛争解決メカニズムを構築し、プラットフォーム上の事業者の法による公平な競争を指導・規範化しなければならない。プラットフォーム上の事業者が不正競争行為を行っていることを発見した場合、速やかに法に基づいて必要な措置を講じ、関連記録を保存し、規定に従いプラットフォーム経営者の所在地の県級以上の人民政府監督検査部門に報告しなければならない

https://finance.china.com.cn/news/20250628/6252481.shtml

 

 

中国市場監督管理総局(国家独占禁止局)が『中国独占禁止法執行年次報告(2024)』を発表

 

公平な競争を促す社会的雰囲気をつくり、公平競争政策の徹底した実施を推進するため、先頃、中国市場監督管理総局(国家独占禁止局)は『中国独占禁止法執行年次報告(2024)』を発表した。同報告には主に特集、年間活動概要、監督管理・法執行の成果、法制度整備、公平競争政策の実施、競争政策の普及、国際交流協力および地方の取組みなどの内容が含まれている。

報告書は、2024年に市場監督管理総局(国家独占禁止局)は全国統一市場の構築を加速するという重点事業を確実に実行し、重点分野における独占禁止の監督管理と法執行を強化したと紹介している。一年間に独占協定・市場支配的地位の濫用に係わる案件11件を処理し、調査拒否・妨害案件1件について行政処罰を下し、経営者集中案件643件を処理した。国務院に『公平競争審査条例』の公布を要請し、地方保護主義・市場寡占という際立った問題の解決に力をいれ、行政権を濫用して競争を排除・制限する案件72件を処理した。独占禁止国際協力を深化させ、イタリアなど4ヶ国と協力覚書を交わし、全国公平競争大会と中国公平競争政策推進週間を開催し、あらゆる経営主体にとってより公平で活力ある市場環境を積極的に創出し、経済の高品質な発展を促進した。

https://scjgj.beijing.gov.cn/ztzl/gpjzyqjc/zjyq/202507/t20250704_4142276.html

 

 

『中国裁判所の知的財産権案件における法律の適用に関する年次報告(2024年)』(その他)

 

中国最高裁判所は4月21日、『中国裁判所の知的財産権案件における法律の適用に関する年次報告(2024年)』を発表した。この報告書は、全国の裁判所が2024年に裁判終了した知的財産権案件から法律適用に関する43の問題点を整理したものであり、専利と商標以外の案件の判決要旨は以下の通りである。

1.コンピューターソフトウェアの発行権の消尽

【判決要旨】1.コンピューターソフトウェアが特定のハードウェアと組み合わせて使用される必要がある場合、権利者がハードウェアとコンピューターソフトウェアをセットで販売する行為は、有形媒体によるソフトウェアの発行とみなされ、状況に応じて発行権消尽原則が適用される可能性がある。購入者は適正な対価を支払った後、当該ソフトウェアの原本または複製物の所有権を取得し、自己使用または第三者への譲渡が認められる。権利者のこのソフトウェアに対する使用範囲や転売の制限は、契約関係のない購入者及び当該購入者から合法的にソフトウェア原本複製物を取得した第三者に対して当然拘束力を持たない。ただし、購入者または第三者は合法的な使用目的を達成する場合を除き、無断でソフトウェアを複製したり、原本複製物を譲渡した後に複製物を使用したりしてはならない。

2.合法的なソフトウェア複製物所有者が無断で修正版ソフトウェアを第三者に提供することを禁止する規定は、主にソフトウェア著作権者の許諾のない修正版ソフトウェアを主要取引対象とする場合を指す。取引の主要対象がハードウェアであり、ソフトウェアが単にハードウェア使用の補助的役割を果たす場合、ハードウェア取引に伴い修正版ソフトウェアの所有権が移転する場合、一般的にソフトウェア著作権者の許諾は不要である。

2.車載システムコンテンツ提供主体の著作権侵害認定

【判決要旨】動画配信プラットフォーム運営者は、車載端末アプリケーションネットワークサーバーにおける権利侵害動画提供行為について、情報ネットワーク伝達権侵害の責任を負う。車載システムソフトウェア運営者が動画配信プラットフォーム車載端末アプリケーションのリリース展示プロモーションに参加し、パッケージサービスを提供している場合、当該運営者は権利侵害作品提供の参加者受益者であり、法により動画配信プラットフォームと連帯責任を負う。

3.生成AIサービス提供者の権利侵害責任の認定

【判決要旨】1.サービス提供者が生成AI技術サービスを提供する場合、侵害幇助が成立するか否かは、サービス提供者の収益モデル、権利作品の知名度・影響力、侵害事実の明白性、AI技術の発展水準、損害回避の代替設計の実現可能性・コスト、必要措置とその効果、侵害責任分担の業界への影響等を総合的に考慮し、過失認定基準を動的に調整し、サービス提供者の注意義務をその情報管理能力に見合った合理的範囲に制限すべきである。

2.生成AIサービスは、信義誠実の原則と公認の商業道徳に反し、市場競争秩序を乱し、他の経営者または消費者の合法的権益を侵害する場合に限り、不正競争防止法の規制を受ける。

4.一定の影響力を有する企業商号の認定

【判決要旨】不正競争防止法第六条第二項に規定される「一定の影響力を有する商号」に該当するか否かの判断は、被疑権利侵害商号の使用開始時点を基準とし、中国国内における関連公衆の認知度、商品販売の時期地域数量対象、宣伝の継続期間程度地域的範囲、標章の保護状況等の要素を総合的に考慮して行うべきである。被疑権利侵害者は他人が商号を先に使用したことを知っていた場合、当該先使用商号の市場知名度が被疑権利侵害者に認知されていたとみなすことができる。

5.技術秘密侵害行為の総合的な判断及び侵害差止の民事責任の具体的負担方法

【判決要旨】1.組織的計画的大規模な他社人材技術資源の引き抜き・獲得により生じた技術秘密侵害被疑行為について、裁判所は審理において総合的に分析判断を行うべきである。被疑権利侵害者が独自の研究開発に要する合理的期間を明らかに下回る短期間で当該技術秘密関連製品を生産し、かつ当該技術秘密を取得する経路機会を有していた場合、権利侵害の可能性が極めて高いため、技術秘密権利者の立証負担をさらに軽減させ、被疑権利侵害者が権利者の技術秘密を侵害する行為を実施したと直接推定することができる。被疑権利侵害者はその技術秘密侵害行為を否認する場合、反証をもって反論しなければならない。

2.権利侵害を効果的に阻止・抑止し、判決の執行可能性を高めるため、裁判所が侵害差止の民事責任の具体的負担方法を確定する際には、権利者の関連主張に基づくこともできるが、必要に応じて職権で差止の具体的方法内容範囲を直接確定することもできる。保護される権利の性質や権利侵害行為の悪質性、特に侵害行為の実際の危害状況及び将来に亘って侵害が継続する可能性を十分に考慮した上で、当該権利を保護するための具体策の必要性合理性実行可能性等の要素を重点的に考慮すべきである。

3.案件の具体的情況に応じ、技術秘密侵害差止の具体策としては以下が含まれる。係争技術秘密を使用した関連製品の自社製造または他社委託製造を中止し、係争技術秘密を使用した関連製品の販売を中止する。侵害者は、真の権利者の同意なく、不法に取得した係争技術秘密を利用して出願した関連特許を、自ら実施、他人への実施許諾、譲渡、質入れ、及び悪意の特許放棄を含むその他の方法で処分してはならない。裁判の監督または権利者の立会いのもと、権利侵害者及び関連組織や個人が保有管理する係争技術秘密を記載した媒体を破棄し、または技術秘密権利者へ引き渡す。公告及び/または内部通達により、会社株主役員関係従業員関連会社及び係争技術秘密を知り得るサプライチェーン企業等に対し、裁判所判決の侵害差止への協力を要請するとともに、企業内部の知的財産コンプライアンス運営に関する明確な指針を示す。技術秘密権利者のもとから権利侵害者またはその関連会社へ転職した関係従業員、権利侵害者及びその関連会社の責任者と研究開発関係者(役員を含む)、係争技術秘密を知り得るサプライチェーン企業に対し、逐一に差止の要求を通達し、係争営業秘密保持及び非侵害誓約書の締結を求める。

4.判決の適時かつ徹底した執行を確保するため、裁判所は案件の具体的情況に応じ、権利侵害の性質情状や差止等の非金銭的履行義務違反により生じうる損害負の影響、判決の抑止力強化等の要素を総合的に考慮し、判決にある非金銭的履行義務の履行遅延金の算定基準を明確にすることができる。当該算定基準は、状況に応じて日単位月単位等で計算または一括払いで設定することができる

6.営業秘密侵害行為及び権利侵害責任の認定

【判決要旨】1.被疑権利侵害者が過去の営業秘密侵害行為に基づき既に不法に営業秘密を取得使用しており、権利者の提出した証拠により被疑権利侵害者が再度実施した可能性がひととおり立証され、被疑権利侵害者が十分な反証を提出できない場合、権利者の被疑侵害者が営業秘密侵害行為を継続しているという主張を認めることができる。

2.従業員が元の所属企業に在職中、配偶者等の第三者を名義人として株式を保有する方式で会社を設立し、営業秘密侵害行為に参与した場合、当該従業員と会社は共同侵害が成立し、連帯して責任を負う。

3.コンピューターソフトウェアと特定データが唯一の対応関係にあり、分離使用が不可能で、既存の証拠により被疑権利侵害者が特定データを使用したことが十分に認定できる場合、当該コンピューターソフトウェアを使用したことも同時に認定できる。

4.権利者が権利行使を怠った、または侵害行為を放任したことを証明する証拠がない場合、被疑権利侵害者が訴訟時効を理由に提訴日から3年前までの損害賠償責任のみを計算すべきと主張したとしても、裁判所はこれを支持しない。

7.技術秘密の非公知性の認定

【判決要旨】技術情報の個々のステップまたは一部のパラメータが公知技術であっても、複数のステップ及びパラメータを組み合わせた全体の技術案が当該業界で周知されていない場合、技術秘密として保護することができる。技術秘密の保護対象となるかどうかの認定は、技術秘密の構成要件に厳密に従って審査すべきであり、専利法における技術案の新規性進歩性に関する評価基準に従ってはならない。

8.技術的中立性による抗弁が成立するか否かの判断基準

【判決要旨】ネットワーク不正競争紛争案件において、経営者が技術的中立性を抗弁事由とする場合、技術の使用方法が正当性を有するか否か、及び実質的な非侵害用途を有するか否かを判断基準とすべきである。中立的な技術の利用がネットワークプラットフォーム利用者の意向を越えて、プラットフォームの技術的設定を回避する場合、不当性を有することになる。経営者は実質的な非侵害用途があることを証明すべきであり、証明できない場合、主観的過失を有すると認定され、相応の権利侵害責任を負うことになる。

9.共同ボイコットに関する縦横交錯の協議は水平的独占協定行為と認定される

【判決要旨】複数の経営者が競争関係にある他の経営者を共謀してボイコットする場合、通常、共同ボイコットに関する水平的協議を締結するだけでなく、上流・下流の経営者を団結させる縦的連携を通じて共同ボイコットの競争防止効果を保障または強化する必要がある。この縦的連携は、競争関係にある経営者が共同ボイコットを実施する重要な内容または手段であり、一般的に当該共同ボイコットは水平的独占協定行為を構成するか否かの認定に影響を及ぼすものではない。

10.競争を排除制限する効果を有する又は有し得る経営者集中に関する司法審査基準

【判決要旨】競争を排除制限する効果を有する又は有し得る経営者集中に対して、禁止を優先的な救済手段とするのではなく、案件の具体的情況に基づき総合的に評価し処理決定を行うべきである。集中に参加する経営者が制限的条件付きの承諾方案を提出した場合、当該方案が有効性実行可能性即時性を備えているか否かを評価したうえで、集中が競争に及ぼす不利な影響を効果的に減少させ得るか否かを判断すべきである

11.集積回路配置設計の保護対象及び商業利用の認定

【判決要旨】1.集積回路配置設計図面に能動素子が含まれていなくても、能動素子と配線の三次元配置関係を示しており、能動素子とのインターフェースを明確にでき、かつその他の標準化部品を使用することで対応する回路機能を実現できる場合、当該集積回路配置設計は「少なくとも1つの能動素子を含む2つ以上の素子、及び一部または全部の相互接続配線による立体配置」に該当し、集積回路配置設計専有権の保護対象とみなされる。

2.集積回路配置設計完成後、性能検査・検証のためにテスト用チップ製造が必要であるが、当該集積回路配置設計を含むチップの製造委託回数・数量がテスト用チップ製造の必要量を明らかに超える場合、反証がない限り、権利者の当該集積回路配置設計が商業利用されていないとする主張を支持しない。

12.移送管轄は応訴管轄の制限を受ける

【判決要旨】階級管轄及び専属管轄に違反する場合を除き、当事者が管轄異議を申し立てず応訴と答弁を行った場合、訴訟裁判所が管轄権を有しないと認めても、移送すべきではない。

13.「反禁訴(執)令発布(反訴訟差止命令)」の要件

【判決要旨】標準必須特許実施者が、標準必須特許権利者が中国裁判所に提起した特許権利侵害訴訟に対し、外国裁判所に「禁訴(執)令(訴訟差止命令)」を申し立て、標準必須特許権利者が当該特許侵害訴訟を審理する中国裁判所に「反禁訴(執行)令」を申し立てた場合、中国の裁判所は予備審査を経て、標準必須特許権利者がライセンス交渉において公平・合理・無差別(FRAND)のライセンス承諾を履行しており、それに対して標準必須特許実施者にはライセンス交渉過程において明らかな過失があり、標準必須特許権利者の中国裁判所で案件審理及び判決執行を進める上での正当な手続きの権利を不当に妨害する意図があったと認められる場合、標準必須特許権利者の「反禁訴(執行)令」の申立てを法により許可することができる。

https://www.court.gov.cn/zixun/xiangqing/462901.html

 

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