中華人民共和国最高人民法院が知的財産権法廷設立5周年10大影響力事件および典型事例100件を発表
新時代の司法積極主義の理念を徹底して実践し、典型事例の指導的役割を十分に発揮させ、科学技術イノベーションの支援を奨励し、知的財産権保護を強化し、市場の公平な競争を維持し、高水準の対外開放に寄与するために、特に最高人民法院知的財産権法廷の設立から5年間に結審した1万5,710件の技術関連の知的財産権および独占事件の中から、10大影響力事件および典型事例100件を選出したので、ここに発表する。
付属書:中華人民共和国最高人民法院が知的財産権法廷設立5周年10大影響力事件および典型事例100件を発表
付属書:中華人民共和国最高人民法院知的財産権法廷設立5周年10大影響力事件
付属書:中華人民共和国最高人民法院知的財産権法廷設立5周年典型事例100件
(出典:中華人民共和国最高人民法院新聞局)
中国国家知識産権局とオーストラリア知的財産庁が協力に関する了解覚書に署名
2月27日、中国国家知識産権局の申長雨局長と来訪中のオーストラリア知的財産庁(IP Australia)のマイケル・シュワッガー長官が会談を開催した。双方は自国の知的財産権業務の最新の進捗状況を紹介し、関連のテーマに沿って踏み込んだ意見交換を行い、かつ両庁間の協力に関する了解覚書に共に署名した。
(出典:中国国家知識産権局ウェブサイト)
2024年世界知的財産の日のテーマが発表
世界知的所有権機関(WIPO)がすべての加盟国およびステークホルダーを招いて2024年4月26日世界知的財産の日を共に祝う。2024年世界知的財産の日のテーマは、知財とSDGs―イノベーションと創造力で築く地球の未来(IP and the SDGs: Building our Common Future with Innovation and Creativity)である。
各種祝賀イベントの世界各地での開催に伴い、世界知的財産の日はすでに真の意味での世界的なイベントとなっている。2024年、我々は世界各地の変革者に喝采を送り、彼/彼女らは現在持続可能な開発目標(SDGs)の実現に必要なイノベーションと創造を推進し、すべての人のためにより美しく、より持続可能な未来を構築している。知的財産権は我々が共に直面する世界的な課題に対応するための中核的なものである。知的財産権は成長と発展のための強力な触媒である。したがって、人々の生活と地球環境の保護の面において重要な役割を果たしている。2024年世界知的財産の日は、持続可能な開発目標を実現し、すべての人に幸福をもたらすために知的財産権、イノベーションおよび創造が発揮する中核的な役割を明確に示す一つの契機である。
国際社会が2015年に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を採択し、このアジェンダは人類と地球の現在と将来の平和と繁栄のための共通の青写真を示したものである。「2030年アジェンダ」は17項目の持続可能な開発目標に支えられている。これらの持続可能な開発目標はすべての国が直ちに行動し、グローバルなパートナーシップを結び、より美しく、より持続可能な未来への道を開くよう呼び掛けている。
我々の共通の未来を構築し、持続可能な開発目標を実現するために、我々は自分の生活、仕事および娯楽の様式を再考する必要がある。2024年世界知的財産の日は、知的財産権により、我々の共通の未来の構築にとって極めて重要な革新的、創造的なソリューションをどのようにして奨励し、かつ拡大させるのかを考える一つの機会である。
(出典:WIPO中国)
典型事例:
「自動車用ワイパー」特許権侵害事件
事件の概要
フランス某洗浄システム会社は、特許番号が200610160549.2、名称が「自動車用ワイパーのコネクタ及び関連の接続装置」の特許権者である。同社は、自動車部品会社であるアモイ盧某汽車配件有限公司らがワイパー製品を製造、販売する行為は係争特許権の侵害を構成すると判断し、アモイ盧某汽車配件有限公司らに対して侵害の停止、経済的損失の賠償および権利保護に関する合理的支出600万元の賠償の判決を命じるよう請求した。一審手続きにおいて、フランス某洗浄システム会社は訴訟中行為保全を申し立て、アモイ某汽車配件有限公司らに対して侵害の即刻停止を命じるよう請求した。その後、一審法院は先行して部分判決を下し、アモイ某汽車配件有限公司らが権利侵害を構成すると認定し、その侵害の停止を命じる判決を下したが、関連の行為保全申立を同時に処理しなかった。アモイ某汽車配件有限公司らはこれを不服として控訴した。フランス某洗浄システム会社は控訴しなかったが依然としてその訴訟中行為保全の申立てを維持した。最高人民法院は事件の受理から40日後に公開法廷において即日判決を下し、一審判決の機能的特徴の認定を訂正した上で、控訴を棄却し、原判決を維持する判決を下し、かつ判決において関連の訴訟中行為保全申立てに対して事件の状況に基づき支持することが可能であることを示し、一審判決が控訴により一時的に執行力を失うという法的効力の空白を補った。
典型事例の意義
本件は最高人民法院知的財産権法廷の設立後に審理を経て「初めて判決が下された」事件であり、法廷が国レベルの知的財産権事件控訴審理メカニズムにおいて裁判機能を果たすことを初めて公に示した事件である。本件の判決は知的財産権保護の強化という方向性を鮮明に示したものであり、かつ有益な試みとなった。実体面では、機能的特徴の認定基準を明確化し、特許権の保護範囲に対する不当な制限・縮小を回避することにより、特許権者がその技術的貢献に適した権利保護範囲を獲得する状況を確保した。手続き面では、「先行的な判決+一時的な禁止命令」の判決方法による速やかかつ効率的な権利救済を提唱し、当事者の「裁判に勝って、市場に負ける」状況を回避した。
(事例出典:中華人民共和国最高人民法院新聞局)
集佳ニュース:
集佳が2年連続で2024年度 WTR 1000 ゴールド事務所に選出 複数のパートナーが傑出した個人ランキングに栄えある入選
世界の知的財産権分野の権威的なメディアである「World Trademark Review(WTR)」はこのほど、2024年度WTR 1000 - the World's Leading Trademark Professionalsを発表し、集佳知識産権はその卓越した実力と高い評判により中国エリアの商標出願と戦略分野のゴールド事務所および商標保護と訴訟分野のシルバー事務所に再び選出された。また、集佳パートナーの趙雷弁護士、黄鶯弁護士、秦麗麗弁護士が高い業務能力および高い業界内の評判により傑出した個人ランキングに栄えある入選を果たした。
WTRは集佳を次のように高く評価している。「集佳チームはクライアントと緊密に協力し、最も業務を重視し、最もコストパフォーマンスが高い方法によりクライアントに強大な商標保護サービスを提供している。全国津々浦々に設置されている集佳の支部機構および600名以上の知的財産権の専門家チームからなる専門集団により、クライアントに高い基準ですべての分野を網羅する知的財産権サービスを提供することができ、経験が豊富で、日頃から鍛えられている専門人材が各業界の商標に係る訴訟/訴訟以外の分野のいずれにおいても十分に実力を発揮している」
趙雷 集佳パートナー、弁護士、商標代理人
担当業務:商標、著作権、不正競争、営業秘密など知的財産権に係る訴訟および訴訟以外の法律事務
黄鶯 集佳パートナー、弁護士、商標代理人
担当業務:商標に係る権利確定と権利付与、商標権侵害、不正競争、著作権保護、税関保護、ドメイン紛争など
秦麗麗 集佳パートナー、弁護士
担当業務:商標に係る権利確定と権利付与、商標に係る権利保護、偽造防止、不正競争、著作権、ドメイン紛争