中国の気象AIが新たなスピードで進化
技術的ブレイクスルーで世界に貢献
「これまでは数時間かかっていた計算が、今は数分で終わる。」中国気象科学研究院AI気象応用研究所の王亜強所長は先ごろ、中国新聞社の取材に応じてこのように語った。AI気象予報モデルはデータ駆動型であり、過去のデータから「現在の状態から未来の状態へ」の対応関係を学習することで、予報効率を大幅に高めている。
長年、世界の気象予報は主に物理法則に基づく数値モデルに頼ってきた。スーパーコンピューターで方程式を解き、予報に長い時間がかかることが多かった。近年、アメリカのNVIDIA(エヌビディア)社が気象予報モデルFourCastNetを、ファーウェイクラウド(Huawei Cloud)が気象予報モデル「盤古(Pangu)」を発表した。後者は2023年に『ネイチャー』誌に掲載され、その精度と速度は従来の数値予測方法を遥かに上回っていると評価された。
その後も中国では関連R&Dが推進されてきた。現在までに、中国気象局は分単位から季節単位までをカバーする全チェーンに対応した「国家チーム」とも呼べるAI気象予報モデル群を構築している。短時間・直前予報の「風雷」、中短期予報の「風清」、次季節から季節ごとの予測の「風順」、観測データに基づいて全球気象予報を行う「風源」、宇宙天気予報向けの「風宇」、一般向け・業界向け気象サービスの大規模言語モデル「風和」である。
現在、多くの研究成果が実用化されている。ロイター通信の報道が注目したのは、中国のAI気象予報モデルが台風「白海豚(ドルフィン)」の予測で力を発揮した事例である。
王亜強所長によると、従来の数値モデルと比べ、AIモデルは計算速度の面で明確な優位性を持ち、スケールの大きい天気状況を捉えることに長けており、台風進路予報のずれは小さくなる傾向がある。
現在、世界の気象技術の発展における格差は広がり続けている。全人類共通の気候危機に対処するには、地政学的な境界・障壁を超えた公共財が必要である。こうした中、中国の気象AIを搭載した中国気象インテリジェント早期警戒ソリューション「媽祖(MAZU)」が海外へ展開している。
「『媽祖』は私たちの早期警戒能力を、他の国・地域にとっても導入しやすく、実用的な一つのソリューションにまとめたものである。」中国気象局公共気象サービスセンターの朱小祥主任はこのように述べ、「媽祖」は「風清」「風順」などのAI気象予報モデルを統合し、気象衛星「風雲」の地球全体の観測能力を活用し、クラウドを通じて利用者に気象災害の早期警戒業務の支援を提供すると説明した。
2025年7月のリリース以来、「媽祖」はパキスタン、エチオピア、ソロモン諸島、ヨルダンなど多くの国で導入されている。
王亜強所長は、「媽祖」が広く受け入れられている鍵は利用のハードルを真に引き下げた点にあると述べた。「数値モデルには長期的な科学的蓄積、技術の掘り下げ、高性能計算資源が必要だが、AIモデルは訓練が終了すれば、高性能GPU(画像処理ユニット)を搭載した1台のコンピューターで動かせ、簡単な研修を受けるだけでローカライズされたものを利用できる」と紹介し、中国の気象AIは今後も物理法則に基づくアプローチとデータ駆動型による「二輪駆動」モデルを引き続き推進し、極端気象の補足能力を一層高め、国内外向けのサービス提供能力を絶えず強化していくと述べた。
https://m.chinanews.com/wap/detail/chs/zw/10687471.shtml
商湯科技(センスタイム)が2026深圳国際汎用人工知能大会に登場
AIによる効率化からワークフロー再構築へ
エージェント時代の生産力を解き放つ
8月26日、2026年深圳国際汎用人工知能大会(AGIC)が深圳国際会展中心(深セン国際コンベンション&エキシビション・センター)で開幕した。今回の大会は「人と機械の協働・境界なき未来」をテーマとし、展示面積は8万1千平方メートルを超え、1012社の企業が出展し、1200点以上の実物展示が行われ、30以上の国・地域から7000人以上の海外バイヤーが来場した。会期中には48の産業フォーラムや100回の個別商談会が開かれ、世界初・国内初の技術成果が100件以上発表された。
AI分野に長年取り組んできた商湯科技(センスタイム)は、日日新(SenseNova)大規模モデル、未来型AIコンピューティングとToken工場、未来都市、未来のライフスタイルなどの部門に出展し、大規模モデル、AI基盤からエージェント応用に至るまでの最新の製品・技術や産業における実践例をまとめて展示した。
商湯科技の展示エリアでは、複数の中心的なシーンに合わせて設けられたインタラクティブ体験コーナーに多くの専門的な来場者が足を止めた。AIオフィスコーナーでは会議の議事録の作成、部門間でのタスク連携などの機能が実演された。コンテンツ制作面では、ショート動画生成に至る一連の技術力を重点的に紹介し、多くの見学者がブースに集まり、技術の詳細を熱心に尋ねていた。
商湯科技のブース内では、大規模モデル日日新が「生成能力」からさらに「タスク遂行」へと進化を続けている。中核となる画像生成モデルSenseNova U1 Proは、画像と文章のマルチモーダル推論によって複雑な生成を完成できる。ネイティブ8K出力をサポートし、そのまま使える視覚素材を直接生成する。最近リリースされたSenseNova 6.8 Flash Lite Previewは「委譲型知能」を進化の方向とし、利用者が目標を与えると、モデルが自律的に計画を立案し、十以上の専門サブエージェントを動的に編成する。数百ステップ、複数の段階に及ぶ長期の工程を要するタスクを実行し続け、動的に軌道修正し、エンドツーエンドで成果の達成を実現する。
また、ブランドを一新したばかりの商湯小浣熊Raccoon Workが展示会に初登場した。「仕事ができるAIアシスタント」として、小浣熊は文書作成やデータ分析などの個別の事務作業から、ローカルファイルの処理、ブラウザ操作、オフィスソフトやデータベースとの接続へと進み、AIをユーザーの日常業務に真に組み込もうとしている。現在、商湯小浣熊は累計ユーザー数が2000万人を超え、週間アクティブユーザー数が300万人以上に達しており、8000社以上の企業に導入されている。
専門コンテンツ制作の分野では、Seko 3.0専門映像ワークステーションが複数のAIエージェントとの協働を通じて、企画、脚本、キャラクター設定、絵コンテ、動画生成、ポストプロダクションを繋いで一つの完全なワークフローを実現している。現在、Sekoには100万人以上のクリエイターと1300社の企業顧客が集まっており、コミックドラマの制作期間を80~90%短縮することができる。これまでは複数人の協働が必要だったコンテンツ制作工程を「ワンマン・プロダクション」で完結できるワークフローへと進化させている。
AI分野の複数の製品を出展する一方で、商湯科技の鄭馳副社長は開幕式で「人と機械の協働における価値の飛躍と商湯科技の産業的実践」と題して講演を行った。鄭馳副社長は、2026年はエージェントの年だと述べた。長期の工程を要するタスクの遂行能力、複雑な計画立案能力、ツール利用能力が向上し続ける中、エージェントは企業の業務フローに深く浸透し始めている。しかし新たな問題も生じている。Token消費は急増しているものの、企業の生産能力はこれによって10倍規模の飛躍を遂げているわけではない。
その問題はモデルの能力そのものだけにあるわけではない。鄭馳副社長は、現在多くの企業が、人向けに設計された既存のプロセスにAIアシスタントを追加し、文書作成、分析、一部の工程をAIで効率化しているにすぎず、こうした方法によって効率は高められるが、エージェントの継続的な実行、並行的な協働、自律的なタスク完了といった能力を十分に引き出すのは難しいとみている。
「人と機械の協働の究極の課題は、ナレッジワークそのものを再設計することだ。」鄭馳副社長はこのように述べ、真の変革とは、エージェントを既存のプロセスに単に「組み込む」ことではなく、エージェントを中心に企業のタスク分担、業務フロー、協働方法を再設計し、ナレッジワークそのものを徐々に「エージェントネイティブ」なものへと向かわせることだと語った。
こうした働き方では、人とエージェントが担う役割も変わっていく。これまで人が一つずつ実行していた多くの中間的な工程は、エージェントが継続的かつ並行して完了できる。人のポジションはさらに上位に移り、目標と境界の定義、重要なコンテキストの提供、受け入れ基準の設定、重要な節目での判断と意思決定をより多く担うようになる。
これは、企業によるAIの導入が単に新しいツールを一つ増やすことではなく、組織全体の再構築を意味する。企業は分散した知識をエージェントが利用できるコンテキストに変え、ツール、データ、権限を実際にワークフローへ接続し、タスク、役割、成果の提供方法を再設計する必要がある。こうした再構築を終えて初めて、人とエージェントがそれぞれの長所を発揮でき、エージェントによる生産能力の飛躍が部分的な効率化から桁違いの変革へと進み得るのである。
https://www.stdaily.com/web/gdxw/2026-08/26/content_570171.html
