2026年世界人工知能大会(WAIC)で300以上のAI成果が初公開
2026年7月17日、2026年世界人工知能大会・AIグローバルガバナンスハイレベル会議が上海で開幕した。1100社余りの企業が参加し、3000点以上の展示品が披露され、300以上の製品が世界初公開された。
先端技術成果が中国AIの実力を示す
AIエージェントの性能の向上に伴い、大規模モデルが処理するデータや現場導入されるシーンが増え、その基盤となる演算リソースの消費も爆発的に増加している。AIエージェント時代の到来に伴い、演算インフラが未曾有の課題に直面している。ファーウェイのブースでは、人の背丈を超える、20台のサーバーラックからなる「演算の壁」がひときわ目を引き、多くの来場者が足を止めて写真を撮っていた。WAIC展示エリアでは、目玉となる「ハードコア(最先端技術)」製品の一つとして、昇騰950スーパーノードの実機が初めて一般公開された。
取材によると、これまでチップ間の連携は、あたかも人々が塀越しに伝言を交わすようなものだったが、「スーパーノード」はその塀を完全に取り払い、高速通路を構築することで異なるチップ間の効率的な連携を可能にし、超大規模モデルにおけるデータの「渋滞」問題を解消できるという。技術担当者の説明によると、業界最大規模のスーパーノードとして、昇騰950スーパーノードは1024枚の演算カードの高速相互接続をサポートし、「一台のコンピュータのように連携して動作する」ことを実現する。1兆パラメータ級の大規模モデルのトレーニングでも、システムがデータ転送の待機を繰り返すことなく、演算クラスター全体が一台のコンピュータのように連携して動作することができる。
中国国産スーパーノードの本格導入により、大規模モデルのサービスコストを大幅に引き下げることが見込まれる。国産大規模モデルのリーディングカンパニーであるDeepSeekは技術レポートで、2026年下半期に昇騰950スーパーノードが大量に販売されることに伴い、DeepSeek-V4-Proモデルの価格が大幅に引き下げられる見通しであることを明らかにした。また、今回初公開された昇騰950スーパーノードのほか、昇騰384スーパーノードは既にインターネット、通信キャリア、金融、教育、医療、交通、製造などの業界で本格的に導入されている。
今回のWAICでは、108種類のチップ、261種類の大規模モデル、208種類のエンボディドAI端末、300台以上の実機が相次いで登場した。
一つの「頭脳」で複数のロボットを制御、ロボットの導入を加速
基盤となる演算能力のブレイクスルーがデジタル世界を築く「鉄とコンクリート」であるならば、ロボットの「頭脳」の進化はAIに物理世界を変革する能力を真にもたらすものと言える。
螞蟻靈波(Robbyant)のブースでは、楽聚(Leju)、星塵智能(Astribot)、螞蟻靈波の3台の異なるブランドのロボットが薬局内で忙しく動き、ランダムな注文に応じて自律的に役割分担し、「3者」が連携して注文受付、医薬品の仕分け、商品の引き渡しなどのタスクをこなしていた。
ロボットの本体、部品、運動制御の急速な発展に伴い、エンボディドAI産業の中心は「身体」から「頭脳」へと移行しつつある。現在、多くのロボットは依然として「1台のロボットに1つの頭脳」のモデルにとどまり、本体機器やタスク、シーンを変更するたびに、データの再収集、再学習、再デプロイが必要となり、エンボディドAIの大規模導入のコストを押し上げている。このボトルネックに対し、螞蟻靈波は業界共通スマート基盤「LingBot-VLA 2.0」を開発し、楽聚、智元(Zhiyuan)、宇樹(Unitree)、銀河通用(Galaxy General)など17社の20種以上のロボット構成に対応している。これは、同一の「頭脳」が異なるロボットを駆動して協調作業することを可能とし、オープンでダイナミックな現実環境で安定して作動させることを意味する。今回展示されたロボットソリューションは既に国大薬房の上海店で実際の業務に導入されているという。
勉強部屋では、AIプロジェクション・デスクライトが多様な問題をスキャンし、採点し、リアルタイムの質疑応答や全科目の指導をこなし、子供のそばにいる「AIチューター」となる。リビングルームでは、スマートティーサーバーが一言の音声指令で適切な温度のお湯を自動的に注ぎ出す。寝室では、一言話しかけるだけでAIライトが明るさや光の効果を調整できる。京東のブースでは、「AIが物理世界に入り込む」一連のシーンにより、AIが目に見え、手に取れる形で、人々の日常生活を静かに再構築していることを示していた。
来場者が、JoyEgoCam頭部装着型データ収集デバイスを装着すると、一人称視点で小売店の棚の整理や商品の取り出しなどの操作データを記録する体験ができる。「人間にとっては自然な動作こそが、ロボットが空間や物体、タスクフローを理解するために学ぶべきリアルな経験なのです」と、京東ブースのスタッフ王秀廷氏が紹介した。
「AI真贋判定チャレンジ」が偽物を見破る課題を直撃
合合信息(Hehe Information)のブースでは、一般の来場者にAIによる偽造品の巧妙さを直感的に体感してもらうため、「AI真贋判定チャレンジ」コーナーが設けられた。それには「殺猪盤(ロマンス・投資詐欺)」や通信詐欺などで使われる偽造サンプルを取り入れられており、参加者は人物写真、支払いスクリーンショット、ニュース動画など、AIが生成した精巧な偽造品から本物のサンプルを見分けることにチャレンジした。ほとんど見分けのつかない偽造品に、多くの参加者が次々と「騙される」結果となった。
横行するAIによる偽造問題に対応するため、技術チームは「スキャン全能王AI真偽判定」というミニプログラムを開発した。記者が現地で確認したところ、商品レビューに載っている「購入者画像」が本物の写真かAI生成画像か、文才に富んだ文章がどの程度「AI生成された」ものなのか、あるいは高齢家族に頻繁に挨拶メッセージを送ってくるブロガーが実在の人物なのかAI生成のアバターなのかを見分けたいなど、AI真偽判定で真偽を判別できるという。
フェイクとリアルの境界が日増しに曖昧になるにつれ、AIガバナンスはマクロな倫理議論から、一般人が直面せざるを得ない現実的課題へと移行している。会期中には、倫理審査エージェントシステム「一鑑(Yijian)2.0」やグローバルAIガバナンス指標など、AIガバナンス分野の最新成果が相次いで公開された。
https://xinwen.bjd.com.cn/content/s6a5acf9ae4b03fa51a81a75b.html
国家知識産権局:新興分野の知的財産保護制度を整備
国務院新聞弁公室は7月29日、「『第15次5ヵ年計画』の始動」をテーマとする一連の記者会見を開き、「第15次5ヵ年計画」期の知的財産権の保護・活用に関する状況について説明した。国家知識産権局報道官・副局長の芮文彪氏は、現在、AI、量子技術、次世代情報技術、バイオ医薬などの新興産業・未来産業は、技術革新のサイクルが速く、業態を跨いだ融合が深く進んでおり、知的財産保護制度の整備・拡充に対して新たな要請が生じていると指摘した。『第15次5ヵ年計画』の綱要では、「新興分野の知的財産保護制度の改善」が明確に記載されている。近年、実施された重点業務も一定の成果を上げている。
第一に、新興分野の知的財産保護制度は絶えず刷新されている。『AI関連発明専利出願のガイドライン』が公布され、『専利審査ガイドライン』が改正され、「AI・ビッグデータ」に関する専用の章が追加され、AI発明専利における主体資格・対象範囲などの審査基準が整備された。また、審査モデルの革新を継続的に推進し、審査の品質・効率を向上させ、新興分野の急速な発展・高いイノベーション効率・速い更新サイクルという特徴に効果的に対応している。2026年6月末時点で、中国国内(香港、マカオ、台湾を除く)の戦略的新興産業における発明専利の有効件数が174.6万件に達し、2025年末比で4.3%増加し、多くの産業分野で主要なコア技術の専利ポートフォリオが構築されている。
第二に、新興分野における知的財産権保護の成果の実用化に拍車がかかっている。IoTやAIなどの新興分野を対象に、高水準の産業知的財産権運営センターを構築し、新興分野の専利の産業化を推進している。現在までに認定された65の産業知的財産運営センターのうち、48が集積回路、バイオ医薬、航空宇宙、6Gなどの新興・未来産業に関連し、全体の70%超を占める。データ知的財産保護の実践に向けた取り組みも継続しており、関連登録証書は司法判断・資産計上などのシーンで既に活用され、累計で融資・信用補強額が約160億元、取引許諾・証券化の規模が20億元超に達した。
第三に、新興分野の知的財産保護環境が持続的に改善されている。「太陽光発電産業の知的財産権保護に関する意見」や「『インターネット+』知的財産保護業務方案」などの政策文書を発表し、重点分野での知的財産保護の効果を高めている。電子商取引分野では知的財産権保護の特別取締りを実施し、インターネットプラットフォーム上の知的財産権侵害・模倣品行為を厳しく取り締まっている。知的財産権保護センターの総合的な基盤支援機能を強化し、新興分野のイノベーション主体に対して、迅速な予備審査・迅速な権利保護を一体化した利便性の高いサービスを提供している。また、新興分野の知的財産グローバルガバナンスに積極的に参加し、公正かつ合理的な知的財産国際ルールの構築を推進し、新興分野の発展に良好な国際環境をもたらしている。
芮文彪氏によると、新興分野は範囲が広く、業態も多様である。今後のステップとして、各新興産業の異なる発展の実態に焦点を当て、知的財産権の視点から新興分野の発展に対し、より効果的な権利付与・権利確認モデル、より明確に定義された権利の帰属・保護範囲・保護形式、より円滑に機能する協同保護体制と侵害対応メカニズムを提供し、新たな質の生産力の育成・強化と新興産業・未来産業の高品質の発展のために知的財産制度の基盤を固めていく方針を示した。
https://www.chinanews.com.cn/gn/2026/07-29/10668480.shtml
