中華人民共和国最高人民法院が第4回人民法院種苗業知的財産権司法保護典型事例を発表
典型事例の指導的役割を十分に発揮させ、種苗業の知的財産権保護を強化し、高水準の司法により種苗業の革新と質の高い発展を促進し、種苗業の振興加速と国の食糧安全保護により一層有力な司法サービスと支援を提供するために、中華人民共和国最高人民法院は、全国の法院で過去1年間に結審した事件から第4回人民法院種苗業知的財産権司法保護典型事例15件を選出し、ここに発表する。
付属書:中華人民共和国最高人民法院が第4回人民法院種苗業知的財産権司法保護典型事例(裁判文書あり)
(出典:中華人民共和国最高人民法院新聞局)
ニース分類NCL12-2024文書の日中韓商品・役務類似群
日中韓の商標分野における協力に基づき、出願人のさらなる利便性向上のために、ここにニース分類NCL12-2024文書の日中韓商品・役務類似群コード対照表を発表する。
付属書:ニース分類NCL12-2024文書の日中韓商品・役務類似群
(出典:中国国家知識産権局商標局ウェブサイト)
世界知的所有権機関が2023年世界知的財産権届出統計データを公表、中国は国際特許出願の最大出願国に
世界知的所有権機関は先日、2023年世界知的財産権届出統計データを公表した。同データによると、2023年の世界のPCT(特許協力条約)出願総数は前年比1.8%減の27万2,600件で、中国は出願件数6万9,610件と依然として最も多かった。2位は米国の5万5,678件、以降に日本、韓国、ドイツが僅差で続いた。
出願人では、ファーウェイ(中国華為技術有限公司)がPCT出願件数6,494件で世界トップ、2位は韓国のサムスン電子、それ以降は米国のクアルコム、日本の三菱電機、中国の京東方科技(BOE)が僅差で続いた。上位10位の出願人のうち、伸び率は中国の寧徳時代(CATL)が最も高く、2023年に公開した出願件数は1,533件増加、84位から8位へ順位を上げた。
教育分野では、米カリフォルニア大学が変わらず最も多く、2位に蘇州大学、以降に米テキサス大学システム、清華大学、米スタンフォード大学が続いた。ランキング上位5位の教育機関のうち、清華大学は伸び幅が最も大きかった。
すでに公開されたPCT出願のうち、最も大きな割合を占めたのはコンピュータ技術で10.2%、それ以降はデジタル通信、電気機械、医療技術、製薬が続いた。この5分野の出願件数が、2023年の公開済みPCT出願件数の約5分の2を占めた。
(出典:人民日報海外版)
典型事例:
EUの商標冒認出願に対し、集佳がクライアントによる区分を超えた権利保護をサポート、異議申立却下不服申立で著名認定を獲得
事件の概要
某有名インターネット会社は2021年、自社の第9類商標がEUにおいて第28類の「玩具」などを指定商品として冒認出願されていることを発見した。
上述の商標に関して、同某有名インターネット会社は異議申立手続きを集佳に依頼した。本事件で、当事務所は、EU「商標法」第8条(1)(b)の誤認混同および第8条(5)の著名商標に関する条項に基づき、本商標は異議申立人の第9類商品および第41類の役務における同一の先行商標と同一または類似の役務の類似商標を構成し、容易に消費者の混同と誤認を招き、かつ本登録出願は異議申立人の先行商標の名声を不当に利用するもので、登録を許可すべきでない旨を主張した。
審理の結果、欧州連合知的財産庁は前述の異議申立理由を支持しなかった。集佳は続けて同クライアントの依頼を受け、異議申立却下の決定に対する不服申立を請求した。不服申立の請求において、集佳の弁護士は他事務所の弁護士と意見交換を重ね、先行事例を検索し、EUの使用証拠を収集し整理して、多くの同業が第9類・第41類と第28類を同時に取り扱っている商標登録出願文書や使用情報などを提供して、第9類・第41類の関連ソフトウェア、役務と第28類の玩具に密接な関連性があることを主張するとともに、大量のEUにおける使用証拠を追加して同社の名声の享受を証明した。
不服申立に対する審理の結果、欧州連合知的財産庁審査委員会は、第28類「玩具」などの商品と第9類の関連商品は低度の類似を構成していると認めた。また、不服申立中に追加提出した証拠をふまえ、審査官は、当該クライアントの商標はすでに比較的高い名声を積み上げ、被異議申立商標の出願は先行商標の名声に便乗する「ただ乗り」行為を構成することから、すべての指定商品で登録を許可しない考えを示すとともに、被異議申立人に対し、異議申立に関する合理的費用の負担を命じる裁定を下した。
事件の批評・分析
本件は異議申立および異議申立却下の決定に対する不服申立を経て、最終的にクライアントによる第28類のEUにおける商標冒認出願に対する区分を超えた異議申立の成功をサポートした。
本件の第一の課題は、商品の関連性には限界があり、区分を超えた保護が難しい点であった。欧州連合知的財産庁は商品の類似性を判断する際、中国大陸の類似群に従って区分することはせず、主に商品の機能、用途、ターゲットグループ、消費ルート、関連公衆の注意義務などを根拠にするとともに、既存の先行事例を参考にする。
検索の結果、EUの先行事例では第9類と第28類「ゲーム機器」は類似を構成すると認定していたものの、第28類「玩具」とは、いずれの先行事例も類似の認定をしていなかった。前述の不利な要素に基づき、集佳チームは他事務所の弁護士と協力し、有利な事例、証拠、同業種の状況を積極的に収集して整理し、商品が類似するとの主張を支持するよう審査官を説得し、さらには一部商品において第8条(1)(b)の混同誤認に関する条項に対する支持を得ることに成功した。
第二の課題は、著名であることを示す証拠の収集であった。EU「商標法」第8条(5)の著名商標に関する条項の適用には、(i)先行登録商標が関連地域で名声を得ていること、(ii)異議申立のある出願は先行商標と同一または類似であること、(iii)出願標識を使用することで不当に優位に立てること、または先行標識の名声または識別性を損なうこと、(iv)この類の使用に正当な理由がないこと、という条件を満たす必要がある。
本件において、異議申立人の商品はEUでの発売時期が被異議申立商標の出願日よりわずか9か月早いのみで、1年に満たなかった。異議申立却下の決定に対する不服申立の段階において、集佳はクライアントによる大量の使用証拠の追加収集をサポートするとともに、同業種の関連市場に対する論証を行うことで、被異議申立商標には正当な理由がなく、先行商標の識別性および名声を不当に利用し、先行商標の顧客吸引力(the power of attraction)、名声(the reputation)、威信(the prestige)から利益を取得し、「寄生(parasitism)」「ただ乗り(free-riding)」行為を構成している旨を主張した。最終的に、第9類「コンピューターソフトウェア(記録済み)」などの商品で著名の認定に成功し、これにより、第28類は類似を構成しない商品項目であることに対する異議申立に成功した。
本件は、海外商標の冒認出願を企業が区分を超えて取り締まること、また商標の使用期間が短い場合の、使用証拠収集による著名商標条項の主張において参考となる事件である。
「カルボマー」の営業秘密に関する権利侵害事件
事件の概要
広州天某高新材料公司、九江天某高新材料公司は、洗い流さない手指消毒液の原料「カルボマー」を生産する技術的な営業秘密の権利者である。華某は2012~2013年、広州天某高新材料公司での在籍期間に、複数回、会社管理制度に違反してカルボマーの生産工程に関する技術資料をオフィスのPCから外部記憶媒体にコピーし、かつ、カルボマー製品の研究開発責任者としての自身の立場を利用して、広州天某高新材料公司の子会社である九江天某高新材料公司の生産現場主任である李某生にカルボマーの生産技術に関する設備図面を渡すよう強く要求した。華某は自身が不正に入手したカルボマーの生産工程に関する図面や文書を安徽紐某精細化工公司の法定代表者である劉某および朱某良、胡某春らに次々と送付するとともに、研究・改良を指示した。後に胡某春が設計図面を修正して関連設備を調達し、最終的に安徽紐某精細化工公司はカルボマー製品を生産して国内外に販売した。一審法院は、安徽紐某精細化工公司、華某、劉某、朱某良、胡某春は広州天某高新材料公司、九江天某高新材料公司の技術的な営業秘密を侵害したと判断し、侵害停止の判決を下すともに、賠償金額を権利侵害で得た利益の2.5倍に決定したうえで、安徽紐某精細化工公司に経済的損失3,000万元を賠償し、華某、劉某、朱某良、胡某春に一部を連帯して責任を負うよう命じた。これに対し、広州天某高新材料公司、安徽紐某精細化工公司らは控訴した。最高人民法院は二審で次のように判断した。一審法院の安徽紐某精細化工公司、華某、劉某、朱某良、胡某春の技術的な営業秘密の侵害を認める判決に不適当な点はない。しかし、権利侵害で得た利益額の認定においては、商品利益に対する被侵害営業秘密の寄与度が考慮されていないため、当該寄与度が50%と確定した状況下で、権利侵害で得た利益を600万元とする。安徽紐某精細化工公司自体が権利侵害を業とし、かつ同社の前法定代表者が係争営業秘密の侵害の刑事犯罪に関与したことにより刑罰を言い渡された後も、生産を継続して20余りの国および地域に販売しており、権利侵害の故意が明確にあり、権利侵害の情状が重大であることが明らかな点を考慮し、懲罰的損害賠償倍数を法定の最高倍数まで高める。また、劉某が安徽紐某精細化工公司の前法定代表者として権利侵害過程で果たした役割が明らかである点をふまえ、原判決を変更し、事件全体の賠償に対して連帯して責任を負うよう命じる。最高人民法院は最終的な破棄自判として、権利侵害で得た利益の5倍で賠償金額を算定すること、安徽紐某精細化工公司が広州天某高新材料公司、九江天某高新材料公司の経済的損失3,000万元および権利保護に関する合理的支出40万元を賠償すること、劉某、華某、朱某良、胡某春は前述の賠償金額に対して順に3,000万元、500万元、100万元、100万元の範囲内で連帯して責任を負うことを命じる判決を下した。
典型事例の意義
当該事件は、最高人民法院が法に基づき懲罰的損害賠償を適用した初の知的財産権侵害事件であり、また、権利侵害の情状の重大度と懲罰的損害賠償倍数の対応関係を追求し、権利者の効果的な保護、権利侵害行為の抑止・抑制、潜在的な権利侵害者への警告などにおける懲罰的損害賠償制度の役割を十分に発揮させた事件であり、知的財産権侵害の懲罰的損害賠償制度の徹底、知的財産権保護力の強化、民間企業の革新的発展の奨励、社会のイノベーション活力の刺激に対して積極的な意義をもつ。当該事件は最高人民法院の指導的事例として、最高人民法院が発表する「人民法院が審判機能・役割を十分に発揮して財産権および企業家の正当な権利利益を保護した典型事例(第3回)」「知的財産権侵害の民事事件に懲罰的損害賠償を適用した典型事例」に選出された。
(出典:中華人民共和国最高人民法院新聞局)
集佳ニュース:
集佳法律事務所が「2023年度律新社優良ブランド法律事務所30選」に選出
2024年3月2日、中国法学交流基金会が指導し、律新社が主催する「致・追光者(光を追う者へ)」第2回法律サービス業ブランド発展フォーラム、並びに律新社2023年度ブランド式典が盛大に開催された。会場では、注目度の高い『法律事務所優秀ブランド影響力ガイドライン(2023)』が発表され、北京市集佳法律事務所は知的財産権分野での卓越した実力と高い評判により、「2023年度律新社優良ブランド法律事務所30選」に選ばれた。
集佳が2023年AAAAA級専利代理機関の評価を獲得
北京市専利代理師協会は先日、専利代理機関の2023年等級評価結果を発表した。北京集佳知識産権代理有限公司は、安定した総合力で各界の支持を得て、再び最高等級であるAAAAA級専利代理機関の評価を獲得した。