Filter

Open

10

SEP

2021

  • 「医薬品特許紛争の早期解決メカニズムの実施のための措置(試行)」の政策解読
  • No.18338886色の組み合わせの商標への無効宣告
  • 最高人民法院は、展示販売による特許侵害(infringement of offering for sale)も補償責任を負うべきであると明確にする
  • 特許出願が拒絶査定後、同日同技術スキームの実用新案権への保護

「医薬品特許紛争の早期解決メカニズムの実施のための措置(試行)」の政策解読

.「医薬品特許紛争の早期解決メカニズムの実施のための措置(試行)」の起草背景は何か?

医薬品特許紛争の早期解決メカニズムとは、関連医薬品の販売承認手続きと関連医薬品特許紛争の解決手続きとをリンクさせるためのシステムを指す。2020年10月、新たに改正された「特許法」の第76条は、医薬品特許紛争の早期解決のための関連規定を導入した。

国家食品薬品監督管理局および国家知識産権局は、関連部門とともに、新たに改正された「特許法」の関連規定の枠組みの下で、「薬物特許紛争の早期解決メカニズムの実施のための措置(試行)」(以下、「措置」という)を策定した。

.「措置」の目的と主な内容は何か?

「措置」は、関連医薬品の販売および承認環節における特許紛争を解決するメカニズムを当事者に提供し、医薬品特許権者の正当な権利と利益を保護し、ジェネリック医薬品の上場後の特許侵害リスクを軽減することを目的とする。「措置」の主な内容は、プラットフォーム構築・情報開示制度、特許権登録制度、ジェネリック医薬品特許宣言制度、司法連携・行政連携制度、承認待機期間制度、医薬品審査・承認分類制度、ジェネリック医薬品市場独占期間制度等を含む。

.医薬品特許紛争を早期に解決するチャンネルは何か?

「措置」によると、特許権者または利害関係者が4種類の特許宣言に異議がある場合、薬物に関連する技術的解決策が関連する特許権の保護の範囲に含まれるかどうかにつき、人民法院に訴訟を起こすか、または国家特許管理部門に行政裁決を行うかという、司法チャネルおよび行政チャネルがある。所定の期限内に、特許権者はみずからチャンネルを選択することができる。当事者が国務院の特許行政部門に行政裁決を請求することを選択し、行政裁決に不服して、その後人民法院に行政訴訟を提起した場合には、待機期間は延長されない。

特許権者または利害関係者が所定の期限内に訴訟や行政裁定を請求しない場合、ジェネリック医薬品申請者は、関連する医薬品の技術的解決策が関連する特許保護の範囲に含まれないことを確認するために関連規定に従って訴訟または行政裁定を請求することができる。

.医薬品特許紛争の早期解決メカニズムの対象となる医薬品特許は何か?

中国上場医薬品特許情報登録プラットフォームに登録できる具体的な医薬品特許には、化学薬品(バルク医薬品を除く)の医薬品有効成分の特許、有効成分を含む医薬組成物の特許、医療用途の特許;漢方薬組成物の特許、漢方薬の抽出物の特許、医薬品用途の特許;生物製品の有効成分の配列構造の特許、医薬品用途の特許が含まれる。関連特許には、中間体、代謝物、結晶形、調製方法、検出方法などに関する特許は含まれていない。

5.特許を声明するにはどうすればよいか?

化学ジェネリック医薬品の申請者、同じ名前と同じ処方の漢方薬の申請者、およびバイオシミラーの申請者は、医薬品販売承認の申請を提出する際に、中国の上場医薬品の特許情報登録プラットフォームに公開された特許情報に照らし、模倣されたジェネリック医薬品に関連する医薬品特許毎に声明する必要がある。ジェネリック医薬品の申請が受理されてから10作業日以内に、ジェネリック医薬品の申請者は、対応声明および声明の根拠を販売許可所有人に通知すべきである。その中で、関連する特許権の保護範囲に含まれないと声明した場合、声明の根拠には、ジェネリック医薬品の技術的解決策と関連特許の関連クレームとの比較表よび関連技術資料が含まれるべきである。ジェネリック医薬品の申請者は、紙の資料に加え、声明と声明の根拠を、上場ライセンス所有者の上場医薬品特許情報登録プラットフォームに登録された電子メールアドレスに送信し、その送信記録を保持する必要がある。

特許権者または利害関係者が化学ジェネリック医薬品の登録申請される4種類の特許声明に異議ある場合、国家医薬品審査評価機関による医薬品販売承認申請の発行日から45日以内に、販売承認の申請に関連する医薬品の技術的解決策が関連特許権の保護の範囲に含まれるかどうかにつき、人民法院に訴訟を起こすか、国務院特許行政部門に行政裁決を請求することができる。特許権者または利害関係者が所定の期限内に訴訟または行政裁決を請求する場合に、人民法院または国務院特許行政部門が受理日より15作業日以内に、立案または受理通知書謄本を国家医薬品審査評価機関に提出するとともに、ジェネリック医薬品申請者に通知すべきである。人民法院または国家特許行政部門から受理通知書謄本を受け取った後、国務院薬物監督管理部門は、化学ジェネリック医薬品の登録申請に9か月の待機期間を設置する。

化学ジェネリック医薬品の申請者が中国の上場医薬品特許情報登録プラットフォームに含まれるジェネリック医薬品に関連する特許権が無効宣告されるべきだと声明したが、特許権者または利害関係者は上場医薬品の関連技術的解決策が関連特許権の保護範囲に含まれるかどうかにつき訴訟または行政決定を請求しない場合、待機期間は開始されない。

七、特許紛争が早期解決されない場合、関連医薬品は上場後の処理はどうなるか?

中国の上場医薬品特許情報登録プラットフォームに関連特許情報が登録されていないのは上記措置に適用されない。特許権者または利害関係者が所定の期限内に訴訟または行政裁決を請求しない場合、待機期間を設置しない。特許紛争を早期解決できない件につき、関連医薬品の販売承認後、特許権者が当該医薬品が対応特許権を侵害したと認定し紛争がある場合は、「中華人民共和国特許法」およびその他の法律および法規により解決する。法律に従って承認された医薬品販売決定は取り消されないものとし、その有効性に影響を与えることはない。

CNIPAによる 2021年7月5日

No.18338886色の組み合わせの商標への無効宣告

色の組み合わせの商標は、顕著性の問題で複数のエンティティによって無効宣告され、業界に重大な影響がある。以下では、No.18338886無効宣告案件を分析する。

係争中の商標:

1)申請者の主張

係争中の商標の登録申請は、その色の組み合わせ商標への形式審査の要求に満たさない。係争中の商標の色の組み合わせは、業界の機械製品の一般的な色である。色の組み合わせは、出願人によって広く使用されることにより製品の出所を区別させることができない。したがって、係争中の商標は無効宣告されるべきだと主張した。

2)国家知識産権局による審理と裁定

まず、被申請者が「商標審査・審理基準」における色の組み合わせ商標の要件に従い、色の組み合わせの配色モードとカラー図面を提出し声明するとともに、色名と色番号を説明し、ビジネスイベントにおける具体的な使用方式を説明したので、係争中の商標の登録出願は、色の組み合わせ商標の形式的審査要件を満たす。第二に、申請者によって提出された証拠は、該色の組み合わせが類似製品の表現用の色になったことを証明することはできない。最後に、上記色の組み合わせは、出願人にコンクリート機械、吊り上げ機械、環境産業などの製品に新しくコーティングされ、2015年4月15日に世界的にリリースされ、2015年9月3日に世界反ファシスト戦争勝利70周年記念の軍事パレードに展示されることが多くのメディアに報道されたので、上記証拠は、該色の組み合わせが係争中の商標申請日の前に広く使用および宣伝されており、出願人と対応関係が形成してあり、商品の出所を区分させることができる。したがって、係争中の商標の登録出願は、商標法第11条第1項(3)の規定に違反するものではない。

案件分析

1)色の組み合わせ商標への形式審査

「商標審査および審理基準」の「色の組み合わせ商標への審査」によると、色の組み合わせ商標出願は下記のような3つの基本要件に満たす必要がある。願書で声明する;明晰なカラー図面を提出し、色名と色番号を説明する;商標の特定の使用法を説明する。本案件の出願人は、上記の要件に従って声明を出し、カラー図面を提出し、色名と色番号を説明し、商標の具体的な使用法も説明した。したがって、当該色の組み合わせ商標の登録出願は、関連する形式審査要求に満たす。

(二)色の組み合わせ商標への実体審査

この案件の焦点は、色の組み合わせ商標の顕著な特徴への審査である。色の組み合わせ商標の顕著性問題には2つの層面がある。基本的な層面は、「商標」としての顕著性であり、即ち、関連公衆が認知習慣において「商標」であるかどうかという識別性である。第2の層面は、固有の顕著性と獲得された顕著性を含む、商品の出所を識別させる作用である。

1、色の組み合わせを商標としての識別可能性問題

通常では、色の組み合わせは関係者の認知習慣では商標として容易に識別されないが、近年の市場主体の習慣育成に伴い、消費者は徐々に色の組み合わせを商品・サービスの出所を識別するマークとして認識し、また、色の組み合わせは色差上の設計もあるので、商標としての認知度がある。

2.色の組み合わせ商標の固有の顕著性問題

「商標審査および試験基準」では、指定された商品の天然色、商品自体またはその包装物およびサービス場所で一般的または一般的に使用される色を表現するための色の合わせを、顕著的特徴のある色の組み合わせ商標から除外する。本案の申請者によって提出された証拠は、該色の組み合わせが係争中の商標の出願日前に類似製品の表現用の色になったことを証明することはできない。

3.色の組み合わせ商標が使用により顕著性獲得に関する考慮事項と具体適用

色の組み合わせ商標が使用により顕著性を獲得したかどうかを判断するときは、「商標審査および審理基準」の一般規定に基づき、下記のような事項を基準とする:商標自体の状況、一般公衆の認識習慣、業界内の使用状況と慣例、色の組み合わせの商標の使用と宣伝、係争中の商標が出願人と安定した対応関係を形成するかどうか、および商品やサービスの出所を区分する機能を持っているかどうかなど。最初の3つの事項は、前記に述べたように、商標の識別可能性と固有の顕著性の問題に関し分析したため、下記で主に色の組み合わせ商標の使用と宣伝の観点から分析する。

本案件の被申請人から提出された、長沙とミラノでの新コーディング会議での報道資料、展示会の写真と契約、反ファシスト戦争勝利70周年の軍事パレードに参加した資料、および係争中の商標の登録後の展示資料が、色の組み合わせ商標の使用と宣伝の普遍性、公衆の広さ、宣伝の強さ、および使用の持続性を証明できる。上記に基づき判定できるのは、係争中の商標は出願日より前に、関連公衆の認識において、当該色の組み合わせ商標は、被申請人と安定した対応関係が確立してあり、商品の出所を区分する役割を果たすことができ、その使用により顕著性も強化されている。そのため、当該色の組み合わせ商標の登録は維持されることとなる。

CNIPAによる 2021年7月20日

最高人民法院は、展示販売による特許侵害(infringement of offering for sale)も補償責任を負うべきであると明確にする

今年3月、最高人民法院知的財産裁判所は、2件の実用新案特許権侵害紛争について第二審判決を下し、被訴侵害者が展示販売行為のみしても、侵害を停止し、損失を補償するという民事責任を負うべきであると明確にした。

当該二件の案件では、第一審の裁判所は、被訴侵害者がWebサイトに被訴侵害製品を展示する行為が展示販売行為を構成し、関連特許権を侵害していると判断して、被訴侵害者が侵害を停止し、損失を補償するという民事責任を負うべきであり、法定補償に基づいて補償額を決めるべきであると判決した。被訴侵害者は、展示販売による特許権への侵害に異議ないが、その民事責任は損失を補償するではなく、特許権者の権利を保護するための合理的な費用を補償すべきであると主張し、上訴した。

この点に関して、最高法の知的財産裁判所は、展示販売行為は客観的に特許権者に害を及ぼすと判断した。展示販売行為は、製品の製造が完了した後、または製品の製造が完了する前、製品が販売される前、または販売プロセス中に発生する可能性がある。展示販売行為の目的は販売に向けられているが、展示販売行為は法定の独立した侵害行為であり、展示販売侵害行為に対する民事責任は、販売が実際に行われたかどうかを前提としない。展示販売行為が発生すると、被訴侵害者の展示販売の価格は通常、特許製品の価格より低いため、潜在的な消費者に心理的なヒントを与え、特許製品の合理的な価格に影響を与え、特許製品の通常の販売を遅らせたり、減らしたりする可能性がある。さらに、被訴侵害者の展示販売行為はまた、特許製品の広告効果に悪影響を与える可能性がある。よって、展示販売行為の存在は、特許製品の価格低下、ビジネス機会の縮小または遅延等の損害を特許権者にもたらす可能性があり、この損害は合理的に推測できる結果である。権利へ損害があれば、救済措置が必ずある。法律で別段の規定がない限り、救済措置には、不法行為に対する民事責任の少なくとも2つの基本的な形態、つまり、侵害停止と損失補償が含まれる必要がある。判決では、被訴侵害者の展示販売に対する具体的な賠償額を決定する際に、最高裁判所の知的財産裁判所は、展示販売につき、元の裁判所が裁量に法定賠償を適用し、賠償額が基本的に適切であり、維持されるべきだとした。

最高裁判所の知的財産法廷による

2021年7月21日

特許出願が拒絶査定後、同日同技術スキームの実用新案権への保護——(2020)最高法知民終第699号

当事者が同じ技術スキームにつき同日に発明と実用新案を出願し、発明出願は新規性を具備せずまたは同じ技術分野の1つの引例に比べ進歩性を具備しないため特許化できないという法律状態が確定されており、当事者が実用新案権に基づき侵害賠償を請求する場合は、人民法院はそれをを支持しないものとする。

最高人民法院の第二審は、特許権が法律によって保護されるのは、特許権が合法有効且つ比較的安定することを前提とする。発明創造物に必要なインセンティブを提供するために、特許権者が自分の特許権を実施し、他者が許可なく特許技術を実施することを合法的に禁止する権利を有すると規定される。ただし、法律に保護されるべきではない技術スキームにつき、被訴侵害者が侵害を構成しないまたは侵害の責任を負うべきではないと明確に主張する場合、依然と他人による実施を禁止すれば、明らかに不公平で特許法の立法目的にも反す。同じ出願人が同日に同じ技術スキームにつきそれぞれ発明と実用新案を出願する場合、実用新案出願は実体審査なしで実用新案権を付与することができる一方、発明出願は特許権を取得する前に実体審査を受ける必要があるので、実際には、同じ技術スキームに関し、発明出願の審査プロセス中に補正・拒絶査定されるが、実用新案出願が授権できることがある。この場合、発明出願の審査の結論が実用新案特許権の保護に影響を与えるかどうかは、特定の状況に応じて詳細に分析する必要がある。一般的に言えば、出願人が同じ技術スキームの発明出願の審査結論を受け入れる場合、または同じ技術スキームの発明出願が引例を使用せず新規性の欠如のために拒絶査定される場合、それは通常、同じ技術スキームの実用新案出願が授権できるかどうかを判断するための根拠となる。また、実用新案権が民事保護を受けるべきかどうかに大きな影響を与える可能性がある。ただし、同じ技術スキームの発明出願が進歩性なしという理由で拒絶査定される場合は、発明出願と実用新案出願との進歩性に関する要件の違いを適切に考慮し、異なる処理を行うものとする。一般的に言えば、同じ技術スキームに関する発明出願が進歩性なしと判断されても、実用新案権の授権の審査基準を大幅に超えることはない。例えば、技術分野、引例の数量において実用新案権の授権の審査基準とは明らかに異なることがなければ、発明の審査結論は同じ技術スキームの実用新案が授権要件を満たしているかどうかを判断するための基礎として使用でき、実用新案権が民事保護を受けるべきかどうかにも大きな影響を与える可能性がある。したがって、本案件の場合、発明と実用新案の授権条件の違いにより、発明が特許化できないが実用新案権が法律に保護できる状況が存在しない。さらに、国家知識産権局が発行した特許権評価報告書は、関連する権利の有効性が不安定であることも示している。実用新案権侵害訴訟において、実用新案権者の権利を主張する実用新案特許が、許可されるべきではない技術スキームに属する可能性が高い場合、それは、特許法に保護されるべきない権利である。上記の状況を総合的に考慮すると、かかる特許は、特許法によって保護されている「正当な権利と利益」に属していない。したがって、かかる特許クレーム1〜5に基づく原告の訴訟請求はすべて却下されるべきである。

最高裁判所の知的財産法廷の報告書による

2021年7月26日

About the Firm

Ge Cheng & Co Ltd.
Address Level 19, Tower E3, The Towers, Oriental Plaza, No 1 East Chang An Avenue, Beijing 100073, China.
Tel 86-10-8518 8598
Fax 86-10-8518 3600
Email davidcheng@gechengip.com , info@gechengip.com
Link www.gechengip.com

Related Newsletters

10
SEP
2021
10
SEP
2021
Newsletter: Volume 7 (2021) Chinese IP Information (English and Chinese) Interpretation of Poli...

Read More

27
JUL
2021
27
JUL
2021
ブロックチェーン技術は、版権の保護と運用のために科学的および技術...

Read More

27
JUL
2021
27
JUL
2021
Newsletter: Volume 6 (2021) Chinese IP Information (English and Chinese) Block-chain technolo...

Read More

30
JUN
2021
30
JUN
2021
特許請求の範囲における数字「一」の解釈 水平的独占契約の実施者が他...

Read More

30
JUN
2021
30
JUN
2021
Newsletter: Volume 5 (2021) Chinese IP Information (English and Chinese) Interpretation of th...

Read More

  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6