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30

JUN

2021

  • 特許請求の範囲における数字「一」の解釈
  • 水平的独占契約の実施者が他の実施者にいわゆる経済的損失の補償を要求する案件に関する処理
  • 改正特許法の施行に関する審査業務の処理に関する暫定措置
  • 他人の技術秘密を無断で使用し特許を出願する際の権利の所属について

特許請求の範囲における数字「一」の解釈

—— (2020) 最高法知民 終第1070

深セン廚之道環保高科有限公司(以下「廚之道公司」という)は、「動的物理シールド浄化器」の発明の特許権者である。廚之道公司は、深セン中天美科技有限公司(以下「中天美公司」という)の製造した特許権侵害の疑いのある製品が、かかる特許のクレーム1の保護範囲にあると判断し、中天美公司を裁判所に訴え、侵害を停止するとともに損失を補償しようと要求した。

かかる特許のクレーム1は動的物理シールド浄化器に関し、次のような技術特徴がある:A.中央ディスクと複数の円形スポークを含む;B.前記スポークの一端が放射状に中央に固定されている;C.同一平面内に配置されたスポークの直径とスポークの数との積の値が46以上460以下である;D.計算する場合、スポークの直径単位はミリメートルで、ス

ポークの直径は0.3mm以上である。二審では、両方の当事者は、侵害の疑いのある技術方案(以下「被訴技術方案」)が技術特徴ABDを有することに異議なく、技術特徴Cのみについて争議がある。侵害の疑いのある製品のスポークは2つの平行な平面を形成しており、中天美公司は、この特徴は、請求項1に記載の「同一平面内」とは明らかに異なると主張した。

第一審では、被訴技術方案がかかるクレーム1とは係争技術特徴において同等であると認定し、侵害が成立したと判断し、中天美公司が廚之道公司に50万元の補償金を支払うよう判決した。中天美公司は原判決を受け入れられなく、最高人民法院に上訴した。第二審では、元の判決ではクレーム1における数字「1」への理解に誤りがあり、被訴技術方案がかかるクレームい1とは係争技術特徴において同等ではなく同じであると認定し侵害が成立して、上訴を棄却し元の判決を維持した。

最高人民法院は、特許請求の範囲、明細書および図面を読んだ当業者による技術特徴Cへの理解に基づき、当該技術特徴に限定されたものは、同一平面内にあるスポークの直径とスポークの数の積の値であり、コアとなるのはスポークの太さと配列密度という2つの物理的パラメータ間の調整であり、その技術効果は、スポークに構成される平面の数ではなく、動的物理シールド浄化器の浄化率を最大化することである。換言すれば、技術特徴Cにおける「同一平面内」とは、「同じ平面内」と理解すべきであり、スポークに構成される平面の数とは無関係である。

本案件の審理を通じて、最高人民法院は判決の規則を明らかにした。すなわち、クレームに数字「1」が含まれている場合、それは量的制限と見なされるべきではなく、特許請求の範囲、明細書および図面を読んだ当業者による理解に基づき確定すべきである。本案件は、特許請求の範囲における特定の数字の解釈に関して、一定の参照の意義がある。

CNIPAによる 2021511

水平的独占契約の実施者が他の実施者にいわゆる経済的損失の補償を要求する案件に関する処理る案件に関する処理

——(2020)最高法知民終第1382号「レンガ協会」独占案件

上訴人宜賓市吳橋建材工業有限責任公司(以下、吳橋公司という)、曹培均、宜賓市レンガ協会(以下、レンガ協会という)と被上訴人張仁勳、宜賓恒旭投資集団有限公司(以下、恒旭投資公司という)、宜賓県四和建材有限責任公司(以下、四和公司という)、宜賓市翠屏区創力機磚有限責任公司(以下、創力公司という)との独占紛争案件において、張仁勳は、レンガ協会の発起人としての恒旭投資公司、吳橋公司、四和公司の強要で、張仁勳の名義での宜賓市高店機制レンガ工場(以下、高店場という)を含む50余社のレンガ工場が次々とレンガ協会に加入し、レンガ協会の前身である宜賓市建材協会レンガ支会と「生産停止契約」、「技術サービス契約」を調印した。「生産停止契約」により、張仁勳は生産停止させられ、20119月に生産停止扶助金をすこししか貰わなかった。

上記行為は、実質的に張仁勳を競争から排除することがあり、独占的行為を構成し、張仁勳の正当な権利と利益を侵害したので、四川省成都市中等人民法院(以下、一審裁判所という)に訴訟を提起した。最高人民法院は、2020116日に張仁勳の訴訟を却下した。

最高人民法院の第2審では、本件の核心問題が、張仁勳が、本案件における水平独占契約の実施者の1人として、独占契約の他の実施者に対して、いわゆる経済的損失を要求する権利を有するかどうかである。これは、独占禁止法第50条の立法目的、被訴独占行為の特徴、損害賠償の法的効果に照らして考慮されるべきである。

まず、独占禁止法第50条の立法目的。独占禁止法第50条は、経営者が独占的行為を行い、他人に損害を与えた場合、法律に従って民事責任を負わなければならないと規定する。この立法目的は、独占的行為を引き止め・取り締まるために民事司法手段を提供し、独占的行為により損害を被った対象に民事救済を提供することにある。原告が独占禁止法に規定される独占的行為の被害者ではなく、独占的行為の実施者である場合、損害賠償請求は本質的に独占的利益の分配への請求であるので、救済の対象とはなれない。本案件において、張仁勳は水平独占協定の参加者且つ実施者の一人であり、独占行為への参加・実施により、一定期間内に独占利益の一部を獲得したので、独占禁止法による救済対象となる独占的行為の被害者になれない。

第二に、損害賠償救済の請求者は、その行為が正当かつ合法でなければならない。不法行為に参加・実施した主体は、不法行為への参加・実施により損失を被ったとしても、自らの行為の不当性により、その損失を救済されるべきではない。本件において、張仁勳は自主的に生産停止契約を履行したので、その行為自体が違法であり、被った損害は救済されるべきではない。

最後に、独占的行動の実施者に対する損害賠償は、関連する独占的行動を助長し支援するという負の法的効果をもたらす。本件において、張仁勳の主張した独占的行為による損失は、本質的に、本案の水平独占契約を履行させ、独占契約に従って独占収入を分配させようとの主張である。張仁勳の訴訟主張を支持することは、違法行為を維持し、助長することと同じである。

上述により、水平独占契約の実施者は、独占禁止法に従って、独占契約の他の実施者にいわゆる経済的損失の補償を要求する権利を持たない。関係する水平独占契約の実施者として、張仁勳の損失補償請求は立証できず、支持されない。

Sohu newsによる 2021514

改正特許法の施行に関する審査業務の処理に関する暫定措置

第一条 202161日(その日付を含む、以下も同じ)から、特許出願人は、紙またはオフラインの電子出願フォームを介して、改正特許法の第2条第4項に従って製品の部分意匠出願を提出することができる。国家知識産権局は、新たに改正された特許法施行規則の施行後、上記出願を審査する。

第二条 出願日が202161日以降の特許出願である場合、出願人は、改正特許法第24条第1項に規定する事情があると考えるときは、紙の形式で請求を提出することができる。国家知識産権局は、新たに改正された特許法施行規則の施行後、上記の出願を審査する。

第三条 出願日が202161日以降の意匠出願である場合、出願人は、改正特許法第29条第2項に従い、意匠出願の優先権を請求する書面を提出することができる。国家知識産権局は、新たに改正された特許法施行規則の施行後、上記出願及び優先権の主張基礎となる先行意匠出願を審査する。

第四条 出願日は202161日以降の特許出願である場合、出願人は、改正特許法第30条に従って初めて提出された特許出願書類の謄本を提出することができる。

第五条 202161日以降に公告及び許可された発明特許につき、特許権者は、改正特許法第42条第2項に従い、公告日から3ヶ月以内に、書面で特許権の存続期間の補償請求は提出することができ、関連手数料はその後国家知識産権局の発行する納費通知書に従って支払うものとする。国家知識産権局は、新たに改正された特許法施行規則の施行後、上記請求を審査する。

第六条 202161日以降、特許権者は、改正特許法第42条第3項に従い、新薬上場の許可日から3ヶ月以内に、書面で特許権の存続期間の補償請求は提出することができ、関連手数料はその後国家知識産権局の発行する納費通知書に従って支払うものとする。国家知識産権局は、新たに改正された特許法施行規則の施行後、上記請求を審査する。

第七条 202161日以降、特許権者は、改正特許法第50条第1項に従い、書面にて特許のオープンライセンスを実施することを自主的に声明することができる。国家知識産権局は、新たに改訂された特許法施行規則の施行後に上記の声明を審査する。

第八条 202161日以降、特許権侵害の疑いのある被告人は、改正特許法第66条に従い、書面にて国家知識産権局に特許権評価報告書を発行するよう要求することができる。

第九条 202161日以降、国家知識産権局は、改正特許法第20条第1項、特許法第25条第1項(5)に従って、予備審査および実体審査、覆審審査という段階にある出願に対し審査開始することができる。

第十条 出願日が2021531日(その日を含む)である意匠権への保護期間は、出願日から起算して10年である。

第十一条 上記措置は、202161日から発効するものとする。

CNIPAによる

2021524

他人の技術秘密を無断で使用し特許を出願する際の権利の所属について——(2020)最高法知民終第871

上訴人である天津青松華薬医薬有限公司(以下、青松公司)と被上訴人である華北製薬河北華民薬業有限責任公司(以下、華民公司)との特許所有権紛争は、特許番号ZL201410517486.6、発明名称「高純度フルオキセフナトリウムの調製プロセス」(以下、関連特許という)に関する。

青松公司は、フルオキセフィルナトリウムの調製プロセスという技術秘密の権利者であり、華民公司は上記技術を取得した後、青松公司の許可なしに当該技術の特許出願を提出し、特許権を取得した。青松公司は、河北省石家荘市の中級人民法院(以下、第一審裁判所といいます)に対し、関連する特許権が青松会社に帰属することの確認を求める訴訟を提起した。

第一審裁判所は、華民公司の特許文書に記載された技術的解決策が、両方による「委託加工・生産契約」の実施において青松公司によって提供された機密技術情報からのものであることを既存の証拠が証明できないと判断した。そのため、青松公司の訴訟請求が却下された。青松公司はそれを受け入れられなく、最高人民法院に上訴した。

最高人民法院は20201216日に元の判決を取り消す判決を下し、この訴訟に関係する特許権は青松公司と華民公司が共同所有しているものだを確認した。

最高人民法院は第二審では、当事者が技術的秘密の侵害を理由に特許権を主張する場合、特許文書が技術的秘密を開示しているかどうか、および特許化された技術的解決策が技術的秘密を使用しているかどうかを調べるべきであると判断した。特許文書は技術的秘密を開示するか、技術的解決策は技術的秘密を使用する場合、技術的秘密の侵害を構成する。

本案件の場合、秘密情報1「中間体を脱保護するための混合クレゾール(m-クレゾール)法の使用」に関して、関連特許の請求項には、中間体を脱保護するために使用された方法を直接記載していないが、特許明細書の実施例には脱保護のためのm-クレゾールの使用を開示する一方、秘密情報1は脱保護のために混合クレゾールを使用する。混合クレゾールはo-クレゾール、m-クレゾールおよびp-クレゾールの3つの異性体の混合物であり、o-クレゾール、m-クレゾール及びp-クレゾールはいずれも、中間体の脱保護にフェノール性ヒドロキシル基の水素結合を使用しており、両者に実質的な違いはない。したがって、関連する特許明細書は秘密情報1を使用している。

秘密情報2「酸生成反応工程の全体的な技術情報」に関して、まず、当該特許の請求項1の工程a)が酸反応であり、秘密情報2を含む。さらに、関連特許明細書の実施例1に記載の技術的解決策は秘密情報2とは、脱保護試薬、反応雰囲気、温度制御タイミング、反応温度、時間、および試薬投与量の点において異なる一方、秘密的技術プロセスには「溶清」と「pH2.5まで」は開示されていないにも関わらず、上記の違いは実質的な違いではない。したがって、特許明細書は秘密情報2を開示・使用していると考えることができる。

秘密情報3「洗浄、抽出、滅菌ろ過ステップの全体的な技術情報」に関して、まず、関連特許クレーム1のステップb)と秘密情報3とは、以下の違いがある:(1)異なる材料を加える。水相への抽出プロセスは、秘密プロセスには、塩化ナトリウムとメタ重亜硫酸ナトリウムをさらに加える。有機相への抽出プロセスは、秘密プロセスでは塩化ナトリウムをさらに加える。(2)材料の添加方法と関連操作が異なる。関連特許が同時に添付するが、秘密的技術プロセスがバッチで添加し数回攪拌して分離する。(3)秘密的技術プロセスはろ過操作が無菌ろ過であると開示しない。上記相違点を比較してわかるように、当該特許の請求項1のステップb)と秘密情報3との上記相違点は実質的な相違点ではないので、当該特許の請求項1のステップb)には、秘密情報3が含まれ、関連特許明細書は秘密情報3を開示・使用していると考えることができる。

要約すると、関連特許文書は青松会社の技術的秘密を開示し、特許技術的解決策も技術的秘密を使用していたので、技術的秘密への侵害を構成する。青松会社の技術的秘密は関連特許の実質的な内容を構成したので、青松会社は関連特許に対し特許権を所有すべきである。

最高人民法院の知的財産裁判所による

2021531

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